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明治43(1910)年、アメリカ人建築家J.M.ガーディナーが設計した住宅建築で、明治の外交官・内田定槌の邸宅として、東京都渋谷区南平台に建てられた。内田定槌は上海領事官を皮切りに、建物が建てられた当時はブラジル特命全権大使を務め、大正13年に退官するまで34年間を外交官として活躍した。平成7年、ここイタリア山に移築・復元されるまで、この住宅は創建当時から所有者が変わらず、大きな改造を受けず創建当所の姿をよく残している。そして建設当時の契約書、工事仕様書、内訳書、見積書などの建築関係資料があり、その時代の建築施行を考察する資料が今も残っている。19世紀、アメリカで発達したヴィクトリアン洋式で外壁は下見板張り。ベランダ上部にガラスが張ってあるのは和式であり、室内にも欄間を使うなど日本家屋的な部分も持っている。また、豪華な装飾や家具など、建主の意見を聞き入れ建てられたと思われる。玄関のステンドグラスや塔などで変化をつけた山手で一番の立派な洋館である。平成9年6月一般開放。同年、国指定重要文化財に認定された。駐車場、庭園内のスロープ、庭にあるトイレ、いずれも車椅子対応のもの。館内は1階は自由に見学でき、2階には介助がある。(千野)
- お話しを伺った人:
- 紹介者:NPO法人 横浜シティガイド協会