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桜の名所・元町公園に隣接した約620坪の敷地にベージュ色の2階建ての洋館が佇んでいる。竣工したのは昭和5年、以来ずっと山手を眺めてきた。イギリス人貿易商ベーリック氏の邸宅である。スパニッシュスタイルという建て方で、煙突には瓦屋根を乗せて、壁泉やかわいらしい星型の窓もある。3連アーチの玄関から鋳物でできた草花模様のドアを押して中に入れば、白と黒のタイルが続く廊下。右には暖炉のある広々とした居間と大きな窓に囲まれて明るい中庭風の部屋があり、ここにも壁泉があって、裕福だったベーリック氏の暮らしぶりが見えてくる。廊下の左は客間と格天井の食堂と台所。2階は家族のための部屋が4部屋あるが、専用のバスルームが付き、デザインはそれぞれ異なる。庭にはヤシの木やヒマラヤスギ、オオシマザクラなど、当時植えられた植物が育つ。また、スロープは裏口にあり、台所から居間へと車椅子での移動が可能である。1階には多目的トイレもある。(利根川)
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- 紹介者:NPO法人 横浜シティガイド協会