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横濱媽祖廟は、明治時代清国領事館があった山下町公園の近くに2006年に建てられました。「航海通商の安全」「自然災害・疾病の守り神」「安産と幸せの女神」として祀られた廟で、横浜の港町にとってふさわしい廟となっています。媽祖様は、約千年前の宋の時代に実在した女性で、誕生して1ヶ月の間、泣き声をあげないので「林黙娘(リンモウニャン)」と名づけられたとのこと。中国福建省に生まれ、幼少の頃より仏法を学び、才気にあふれ方術を身に付け、16歳のとき「神の教え」により神通力を得て、村人の病を治し、船を港に導き、人々のために尽くしました。しかし28歳のとき、父が海難で行方不明となり林黙娘は父を探しに船を出し遭難。媽祖島(現在の南竿島)にて亡くなったため媽祖の名が付けられたとのこと。島の人々は廟を建て、護国救民の神として祀るようになり、以後、中国人の海外進出に伴い、台湾、東南アジア、日本など多くの国に伝えられるようになりました。また、媽祖様は千里眼と順風耳の二神を随神として脇に付き従えています。横浜中華街には商売の神である「関帝廟」とともになくてはならない存在となっています。残念ながら車椅子用のスロープがないため、媽祖像の前まで上がるのは困難なところです。(横山)
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- 紹介者:NPO法人 横浜シティガイド協会