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日米和親条約締結の地に、開港広場と隣り合って建っているのが、横浜開港資料館である。開港資料館は新旧二つの部分からなり、旧館の部分は、元イギリス総領事館である。
開港当時のイギリス領事館は、神奈川宿の浄滝寺にあったが、幕府の要請で文久2(1862) 年、運上所(現県庁)裏手に移転した。しかし、慶応2 (1866) 年の大火で焼失し、明治2 (1869) 年に現在の地、山下172番(現日本大通3番地)に新築された。しかし、その建物も大正12 (1923) 年の関東大震災で焼失し、その後、昭和6 (1931) 年に再建されたのが現在の横浜開港資料館旧館である。設計は英国工務省で、正面玄関の二本のコリント式柱が美しい。この建物は昭和47 (1972) 年まで英国総領事館として使用されていたが、昭和56 (1981) 年に新館を増築し、開港資料館として開館した。横浜開港当時からの資料が集められており、館内に展示・紹介されるとともに、閲覧もできる。これら資料は、開港100年記念事業の『横浜市史』編纂のために集められたものを基礎とするものである。
なお、中庭にある「玉楠の木」は、ペリー来航時、この地にあった木で、関東大震災で焼失したにもかかわらず、その木の根元から再生した蘖(ヒコバエ)である。(高橋)
- お話しを伺った人:
- 紹介者:NPO法人 横浜シティガイド協会