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横浜市開港記念会館は正面玄関横のバラ窓の外側壁に、「開港記念横浜会館」とあるとおり、横浜港開港50周年を記念して、市民からの寄付金を募り、設計コンペを実施して建設され、大正6(1917)年、開港記念日の7月1日に開館した。当時の建築技術の粋を集めた鉄骨煉瓦造りで、3つの隅に、時計塔、八角塔、角塔を備え、外壁は、赤煉瓦と白い花崗岩の縞のデザインを持ち、屋根飾りも美しい建物であった。大正12(1923)年の関東大震災により、屋根と内部を消失。復興時には、ドームが陸屋根になった。しかし、昭和60(1985)年に創建時の設計図が見つかり、復元され、平成元(1989)年9月、国の重要文化財に指定された。内部には、万延元年幕府使節団が米軍艦ポーハタン号で横浜を出港する時を写す大きなステンドグラスの窓があり、2階広間には、横浜開港当時の日本の様子を写した2面と横浜開港50周年を記念して横浜市歌とともに制定された市章が、鳳凰に囲まれている1面のステンドグラスがある。「ジャック」の愛称をもつ時計塔は、県庁「キング」、横浜税関「クイーン」とともに「港の3塔」と呼ばれ、人々に人気のある若々しくスマートな塔だ。(平井)
- お話しを伺った人:
- 紹介者:NPO法人 横浜シティガイド協会